TAKAHIRO

CHALLENGER'S
INTERVIEW

ダンスエンターテインメントの道を切り開く!ダンサー・振付家TAKAHIROが挑戦し続ける理由とは

ダンサー・振付家 TAKAHIRO

日米で活躍する超有名ダンサーTAKAHIRO(上野隆博)氏。2007年にはアメリカの週刊誌「Newsweek」「世界が尊敬する日本人100」に選出、2009年にはマドンナ主催のオーディションに最優秀ダンサーとして選出され、マドンナのツアーにも同行されています。また近年は、アイドルグループ『櫻坂46』のダンス振付を担当!世界で活躍するTAKAHIROの素顔に迫りました!

挑戦する原動力とは?自分の枠を超える経験から感じたこと

yabme

TAKAHIROさんが今まででいちばん挑戦したなと思う経験やできごとはありますか?

TAKAHIRO

一番挑戦したのは…高校生のとき。
部員が少なくて友達に誘われて、フランス語演劇部に入部したんです。フランス語を教えている高校が集まって、1時間ほど演劇を見せるというイベントがありました。自分が通っていた学校では、部長が主役をすることが伝統で。高校2年生になると部長になった僕は、演劇の主役をすることになりました。

だけど先生が僕の前でこう言うんです。「たかひろは無理だから、今回はフランス語ができる優等生の○○君を主役にする」って……。ガガガガーンと思いました。まだチャレンジもしていないのに、いきなり「お前は無理だから」と言われて……。

僕は気弱なタイプで、いつもなら何も言えなかったのですが、さすがにそれは悔しかった。優等生の○○君はフランス語演劇部でもないし、部長が主役を行う部活の伝統を守らなくてはという責任感があった。だから「やらせてほしい!」と先生に抵抗しました。
そして掴み返した主役は台本のセリフをもちろん覚えなくてはいけない。量がとても多くて、それを全部フランス語で覚えなくてはいけない。その日から必死に時間さえあればずっと台本を読み続け、登校中もお昼休みもずーっと覚えていました。
そして無事、本番で主役ができたんです!

yabme

最終的に主役を勝ち取られたんですね!それはすごいですね!

TAKAHIRO

これが初めて“みんなも自分自身も無理だと思うものが、粘りとやる気、気合で乗り越えられることもあるんだ!”と思えたことでした。
あきらかに自分の限界以上、端から見た自分の力量と自分自身が知っている自分の力量よりも上のことにチャレンジし乗り越えたことが、大きな記憶に残っている体験です。

yabme

「できないかもしれないな~」から、なぜ挑戦しようと思ったのでしょうか?行動のバネにしているものが何か根底にあったのでしょうか?

TAKAHIRO

はい、いろんな思いがあります。やりたい気持ちだったり憧れだったり…何もしてないのに戦力外通告される悔しさだったり。それが原動力になって、勢いが生まれました。そこからは、責任感が自分を支えてくれたと思っています。

演劇なので、仲間たちがいて、ひとりの話じゃなくなる。僕が途中でさじを投げると、みんなが困ってしまう。そう思うと普段以上の力が出せました。あとは本番という期日があったので、目標設定が出来たこともすごく助かりました。

僕は常々思っているのですが、人は自分だけのために向けられるエネルギーはそこまで強くない、きっと限度があると思います。
個人差はあるとは思いますが、誰かのために、こうしないとみんなが困るとか、そういったエネルギーも一緒にできるとすごく相乗効果が高まると思います。

始めは、自分だけの思いで始まったけど、最終的には自分以外の人達がいてくれたお陰で成功できたと思いました。

yabme

仲間や制限されることが、力になるところがすごいですね。私もTAKAHIROさんに比べて小さいですが、そういう部分があるな〜と思いながら聞かせていただきました。

TAKAHIRO

そうですよ、夏休みの最終日パワーですよ(笑) 日本中みんなが夏休みの最終日になると、すごいパワーがあふれ出るあの感じ(笑)
常にあれをコントロールできれば、みんなめちゃくちゃ強い。

yabme

確かに!(笑)
それをチャンスに変えられると強いですよね!

TAKAHIRO

そうですね、それでまず意識が変わりました。
学生時代のキャラ設定で、俺はどうせ端っこキャラだからと思っていました。イケてるグループが羨ましいと…。(笑)

yabme

TAKAHIROさん、イケてるグループではなかったんですか!?

TAKAHIRO

僕は完全に独立していて、どのグループにも属さないそよ風グループ!(笑)

yabme

なるほど!(笑)

TAKAHIRO

別に、空気扱いされているわけではないんです。一人でほのぼのしているタイプ。特に大きなことも頼まれることもない(笑) でも、憧れはあるんです。“あんな風にシュート打ってサッカーで点入れてみたい“とか。サッカーの授業で、点を入れている友達や、テストで100点を取っている友達はかっこいいなと思っていました。

僕は当時、中の下、下の中くらいの能力値だったので、最悪でもないけど最高でもない。だから一番すごい子や、点数は悪いけどキャラクターがあってみんなを笑わせるような子に憧れていました。

そんな自分が、覚えられないと思ったことを覚えて、みんなの前で発表するなんてことは無理だと思っていたけど、人前で演劇をやってみると意外にイケた!人間は想像と想定を越える可能性を持っていることに気づいたんです。その経験が、この先の大きな助けになり続けています。

ダンス仲間との向き合い方は?関係性を構築するときに大切にしていること

yabme

TAKAHIROさんのお話の中で、自分のためのエネルギーではなく、仲間がいたからそれがエネルギーになったというお話がありましたが、人間関係を築いていく上で意識していることはありますか?

TAKAHIRO

学生時代は人の事を考える視野が狭かったです。自分の好きなことが一番でした。それはそれで、楽しさと挫折を経験しました。

そしてプロとなると、友人や仲間やお客さんや、クライアントさんがいるお陰で、期待以上のものを出さなければいけないという思いが出てきました。始めは期待通りにしないといけないところが最大値ですが、仕事をしていくと、喜んでもらうためには相手が思っていたより、少しプラスしたものを、エンターテインメントする必要があることを知りました。

なので私にとってダンス関係の方々とよい関係を築くために大切なことはよいクリエイションをお届けすること。相手によって理想は異なるので、『どうすればその人の持つロマンに適う自分になり、どうやってさらに一歩驚かせられるか?』というところが常に目標点になります。

yabme

どのような仕事仲間がいますか?

TAKAHIRO

僕は、人付き合いが多いタイプではないです。飲みに行くこともあまりないですし、メールや電話とかもあまりしない。本当に友達関係が築けている人は片手で数えるぐらいしかいないです。

でも仕事ではたくさんの仲間や友人がいます。
たとえば、ダンスの仲間であれば、たとえ久しぶりに会っても意思疎通ができるんです。戦いの場の中においての『熱い仲間の関係』は最高です。
その人のすごいと思えることを尊重しあえる場にいれると幸せです。

yabme

ダンスの仲間の「すごいな」と思うところを引き立てて相手を尊重するということでしょうか?

TAKAHIRO

仲間っていろいろいて、自分のダンスを作ってくれるスタッフ、企業さん、教えて実際にやってくださる演者さんもいます。その人同士で違いますが、わかりやすく言うと、『わかりやすく』『できるだけ同じ目線』で話せるようにしたいと思っています。

偉い人だからと下から見上げるようにしてしまうと、こびへつらいになるだろうし、初めてのアーティストだからって、「僕はいっぱい業界を知っているぞ」と上から目線だと、見えるものも見えなくなるだろうし。

できるだけフラットな目線で話しあえたら真の仲間なのかなと思っています。もちろん、親しき中にも礼儀ありを持ちつつです。自分はダンスばかりの人生なので、ダンスをする相手にはそういう風に向き合いたいと思っています。

ダンサーを目指したきっかけとは?憧れと悔しさが原動力

yabme

TAKAHIROさんのインタビューを拝見していて、TAKAHIROさんは、予想を裏切る振り付けや、あっと驚かせる振付がすごく上手だと書かれていましたが、日頃から意識されていることはありますか?

TAKAHIRO

何をするにも、何でも「やってみましょう」と思っていること、「ちょっと一工夫してみよう」と思うことです。日々繰り返される日常に、毎回少しずつ何かを取り入れるんです。
例えば、コーヒーを飲むときに今日のコーヒーの粉の量を多くしてみようかなとか。牛乳をちょっと多く入れてぬるくするとどうかとか。電車に乗るときも、座れるけどあえて立つとどんな感覚なのかなとか…。

毎日繰り返されるもののなかで『違うこと』をやること。そして、その結果が無意味だと思うことも発見だし、疲れることも発見。コーヒーでも、ちょっと一杯多く入れたほうが、美味しいと気づくことがあるわけです。
世の中も自分自身も流れる時の内にいて常にスタンダードは移っています。そうすると今まで自分はこれがよかったと思っている軸に、ほかの経験を足していくことが大切になります。自分の中の枠や限界をアップデートしつづけるのがオススメです。

僕の日常でやっていることは、繰り返す日常の中で何か新しいことを、小さくてもいいからちょこちょこプラスしてやっていく。それが積み重ねになって、発見もそこで見つかることがあるし、ものの見方が少しずつ膨らんでいくような気がするんです。

yabme

なるほど。毎日少しずつ枠を広げることを積み重ねというわけですね。

yabme

TAKAHIROさんが生活をしていく上で、なぜダンスに行きついたのでしょうか?
おそらく、日頃からいろいろなことに挑戦しようと思っていて、フランス語の演劇などをやられていたと思うのですが…。

TAKAHIRO

通っていた学校でフランス語を習い始めて、続けていたら段々と好きになっている自分がいました。元々僕はフランス語を活かして、外国人に日本語を教える先生になりたいなと思い、日本語教員免状というものを大学で取得したんです。

ただ、大学1年の時ダンスを始めたらどんどん魅力にハマッていったんです。
何もモノを持たない、体だけを使って自分が見たこともないことができる。
くるくるとコマのように回り、片手で逆立ちしたらピタッと止まり、空中に両手の掌を挙げただけで、そこに壁やカバンがあるようにモノさえ作り出せてしまう。クネっとすれば腕から水が流れるように見せれる。そこには何もないのに、脳みそがそこに何かあるように感じさせることができる。
「僕は同じ体を持っているのに、この人たちはなぜ、体ひとつでこんなに無限の宇宙のようなものを作れるんだろう」ってトレーニングする度に気付く事が多くて大好きになっていったんです。

技の習得にも夢中になりました。ターンを試しに回ってみたら、一回回ってみただけで、おっとっとと転びそうになった。「テレビの映像でマイケルジャクソンは三回ぐらい回ってるんだけどなあ。もし三回回れたら、また僕は演劇のあの時みたいに変われるのかな。ぐるぐると足を広げて地面を回るウインドミルという技をかっこいいな。それができたら僕はどうなるんだろう。でも絶対無理だな…。でももし出来たら、また自分は何か新しいものが見つけられるのかなあ。あぁ、やってみたい、やってみたい。」という思いが溢れ出してきました。

この自分への悔しさと、そこにいるキラキラした動きへの憧れが混ざり合って弾けてやってみようと思ったわけです。

「ダンスをやったら僕は、またひとつ何かが変わるかもしれない。」

その内、本当に何かが少しずつ変わり始めました。

yabme

なるほど。ということは初めてダンスを見たのは、テレビだったんですか?

TAKAHIRO

初めてダンスを見たのは、テレビでブレイクダンスを踊っている歌手を見たときだと思います。

yabme

ブレイクダンスだったんですね。

yabme

チャレンジしようと思ったのが大学生でしたが、いまは高校にもダンス部がありますよね。高校生でダンスを始めてない子でも、やろうと思ったら間に合いますか?

TAKAHIRO

『間に合うかどうか』とよく聞かれますが、「何に間に合わせるようにしてるのか?」という疑問があります。
その何に間に合うかっていうのがとても大事です。そしてその答えはあなた自身が設定できるのです。当時の僕はクルクル回れればもうそれでOKでした。僕は今年で40歳ですが、今からはじめても当時の僕の夢は間に合うんです。だから、間に合うという言葉は、周りのみんなが描く期待や、周りのみんながもつスタンダードの成功のライン。別にそこに合わせてこなくても全然いいと思います。

ダンスをして自分が今までと違うようにリズムにのって笑いたいと思うのなら、それはもう50歳からでも間に合う。
きっかけはいろいろあるわけだから、自分にあった『間に合う』を探せばいいんです。
もちろん、バックダンサーになりたいとかグループに入りたいとか、それが夢ならそれに向けて走っていく必要がある。ただ、大抵のことは結構間に合うと思います!

yabme

おっしゃる通りだと思います。それこそ最初に、強制的に期限設定をするということでしたが、目標のために自分でしっかりと期限設定することが大事なのですね。

TAKAHIRO

はい。僕がニューヨークに住んでいたとき、海外のコンテストで優勝したり、海外アーティストのバックダンサーをしたりして、日本で名前を知ってもらえるようになりましたが、アメリカに行くときは「絶対に1年で帰るぞ」と期限設定していました。

yabme

なぜ期限を1年にしたのですか?1年で成果を出さないと…という感じですか?

TAKAHIRO

はい。1年しかないと思うといつもより大胆に挑戦出来ました。結果的に当初の目標を大きく越える事が出来て、7年…家を引き払うまで10年米国にいました。最初に期限設定を作っておくとエネルギーがでるので『焦りパワー』は有効です。

yabme

確かに。私も仕事で期限を作って『焦りパワー』を生み出すようにします!(笑)

TAKAHIRO

いいですね。周りに宣言すると、さらに効果がありますよ。「僕は1年で絶対に帰るんだ」ってみんなに言っちゃうんです。帰らなかった時、みんなが「仕方ないよね、それはいたほうがいいよ」って言えるくらいの理由があれば残れるし。帰ってくる約束で、帰ってくるほうが強まるんだったら帰ったらいい。人に言うことで自分の中での大義を高めることが出来ます。

小さなステップが大事?ダンサーになりたいなら「真似」から始めよう!

yabme

今からダンスを始めたい人たちや、今は夢が見つけられていない人に向けて、『はじめはこういうことをするといいよ』いうアドバイスはありますか?

TAKAHIRO

ダンスを始めたいって思ったということは、自分が好きなダンサーや踊りたい曲があるはずです。まずは、それをマネしてみることがいいです。別にその人より上手くならなくていいから、まずはマネをするんです。
マネをしていると、足りないものが見えてくる。根本的にもっとリズム感を鍛えたいとか、思いっきり体を動かしたいとか。

マネをしてみると、自分に足りないもの・やりたいことが見えてくる。

マネをして、そこから伸ばしていく。そこから何かが見えてくるはずです。その部分を強化していくと、だんだんダンスに味わいが出てきます。
そうなってくると今度は「もっとこうしたい!」と欲や夢がで出てくる。
やはり、夢や欲望は少し踏み込んだあとに見えてくるかもしれませんね。

yabme

なるほど、深いですね。

yabme

TAKAHIROさんのスゴ技を見させてもらったんですけど、最初からハードルの高いことに挑戦するのは、おすすめはしないですか?

TAKAHIRO

いいんですよ!最初から挑戦しても!
自分の本当の憧れから目を背けて、周りの言う『一番いいもの』を正解と思わなくていいと思うんです。

yabme

そうですよね。最初は回ることがゴールでしたもんね。

TAKAHIRO

そう。yabmeに掲載されている『スコーピオンチャレンジ』をやってみていいんです。「あれから始めたい、あれができればすごくいいかも」と挑戦していいんです。そうすると、「全然立てない!」という人と「意外といける」という人と「意外といける」という人がいるんです。それなら私には筋力が足りないのか、ばねが足りないのかなとか、いろいろなことが見えてくる。きっかけの気持ちは大切にして欲しいです。

yabme

自分で自分を観察して、どこが足りないのか考える…。なるほど。ちなみに『スコーピオンチャレンジ』をするためにはどういうトレーニングをしたらいいんですか?体幹を鍛えるとかでしょうか?

TAKAHIRO

『スコーピオンチャレンジ』は、自分の体のバランスを知ることが一番大事。
この技は、筋力だけではなくバランスと体幹でできる技なので。

体幹と軸を自分がキープできないとブレてしまって上がり切らない。はたまた、お尻が上がると、お尻が上がることによって体が前傾姿勢になり、体が重くなりすぎて上がらない。頭を下げてしまうと、頭の自分の重さがジャマをしてそれでも上がれない。

自分で手を挙げて、どこで離したらいちばんインパクトがでるか。
野球でもそうかもしれませんが、インパクトの場所は何回も素振りするようにやらないとわからないですよね。なので、想像と実際に動く体は少し違うんですよ。想像のビジョンと、現実に動く自分がマッチングするトレーニングを反復する必要があるかもしれない。
中にはそれがすべて揃っている人がいるときもあるんです。あとは、筋力だけでもっていける人とか。やってみて気付くことがあるはずです。

yabme

『スコーピオンチャレンジ』は、筋力だけではなくバランスと体幹でできる技とのことですが、筋力がなくてもできる可能性はあるってことですか?

TAKAHIRO

あります。その代わり、柔軟性やバネが必要です。立ち上がるインパクトの瞬間をうまく使えると成功しやすいです。

yabme

ということは、自分が踊っているところを動画撮影して見返すことも大事なのでしょうか?

TAKAHIRO

はい。それはすごく大事ですね。
自分で自分を観察して、どこが足りていないのか自分の状態を見てみてください。

yabme

次回、後編では、TAKAHIROさんのダンスに対する思いや夢に向かって挑戦する姿勢や今後の夢についてお聞きします。

ダンサー・振付家 TAKAHIRO

プロダンサー/振付家
東京都出身。
滋慶学園COMグループ名誉教育顧問/大阪芸術大学客員准教授
日本ダンス大会審査員長。
2004年に単身渡米。マドンナのワールドツアー専属ダンサーを務めた。全米放送のコンテスト番組『Showtime At The Apollo』で歴代最多の9大会連続優勝。現在は多くのアーティストの振付やLIVE演出など、幅広く活躍。

TAKAHIRO

SNSでシェアする

さあ、yabmeをはじめよう!

Apple Storeからダウンロード
Apple StoreへのリンクのQRコード
Google Playで手に入れよう
Google PlayへのリンクのQRコード